大河ドラマ「軍師官兵衛」もクライマックスに差し掛かってきました。
最近はあまり大河ドラマはみないのですが、
たまたま、私がまだ20代の頃、
黒田官兵衛の末裔なお爺ちゃん(もうとっくに亡くなられたのだろう)にお会いする機会があり、
とても面白い話を伺い黒田家には何となく興味を抱いていたので、
結局ビデオにとって毎週欠かさず見ています。
その方は、昭和天皇や今の天皇陛下ともずいぶん親しくされていたとのことで、
「昭和天皇は人間宣言されたので人間には違いないのだろうけど、
何か強い霊感のようなものを持っておられたんだ。」
みたいな話を興味深く聞かせて頂いたのでした。
さて、その人のご先祖様である軍師官兵衛はあっと驚く「策」を次々と繰り出し、
遂には秀吉を天下人にまで押し上げて行くわけですが、
同じ、黒田姓の日銀総裁も負けてはいませんね。
金融政策というのは、結局のところ、
最後に「策」の字がついているくらいですから、
何か高尚な世界というよりは、
兵法に近いものなのかも知れません。
もう10年以上前になりますが、
世界中の投機筋から「日本売り」と呼ばれる、
円売り、株売り、債券売りを喰らったことがあり、
ずいぶん、日本経済が苦しめられたことがあります。
アレだけは避けたかったんでしょう。
しかも、当時の政府日銀の対応は「Too littele too late」と
外国人から笑われたように、
その対応は余りに遅すぎる上、余りに規模が小さすぎたのです。
そこで今回は、
そんな手痛い経験を十分に活かした「策」を練り、
国債やETFを大胆に市場の変動に先んじて買い取ることで
株売り、債券売りを避けながら、
大量に円を供給し、円安に誘導するという
金融戦略を考え付いたと言えるでしょう。
日銀による大規模な「相場操縦」です。
一般の投資家に対しては「相場操縦」はご法度として厳しく監視の目を光らせながら、
政府だけは「金融政策」の名のもと大規模にそれをするわけですから、
その効果は絶大で、なかなか、それをひっくり返すのは難しいと思います。
そもそも「相場操縦」が禁止されているのは
そのような行為は資金力さえあれば十分に可能であり、
しかし、そのような行為は株式や国債の価格に大きな歪みを作り、
それが長期的に見て日本経済にとって好ましくないという理由から規制されているわけですから、
それを日銀がやればなんとでも相場を動かすことは可能なのです。
銃刀法で国民から拳銃を取り上げて
警察にだけは使わせているのと同じような「策」ですね。
じゃあ、警察はピストルを好き勝手に使ってよいかというと
もちろん、そこには厳密なルールが存在するわけで、
日銀による相場操縦に対しても当然何かしら制限を設ける必要はあるでしょう。
今後議論が進んで行くはずです。
もっとも、この辺が経済の面白いところですが
相場操縦すれば景気やデフレも修正できるのかというと、
今のところ、そっちは(意外にも)思ったほどには動いていないようにも見えます。
相場というのは経済を映す通信簿のようなものですから、
通信簿の方を意図的に動かして高い点数をつけたとしても
経済そのものはまた別な動きをしてしまうようなのです。
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