今週の激烈な下げ相場を振り返って、
「もうはまだなり。まだはもうなり」
という古い相場格言を思いだしていました。
この相場格言は日本相場師史上の頂点に立つ
本間宗久翁が残した言葉です。
本間宗久を知らない方はこちら
当ブログ記事「非風非幡」2012.11.11参照
http://ameblo.jp/okuyama-tukito/entry-11401564033.html
今週は、株雑誌の発売日があり、
またエコノミスト誌等の経済誌も
誌面を大きく株や為替について取り上げていましたので、
私もさらさらと読んでみたのですが、
その論調の多くはこんな感じでした。
既にずいぶん騰がったが、まだ、騰がるだろう。
理由は、PERやPBRからまだ高いといえる水準に達していない。
まだ、外国人投資家からの買い需要が大量に残っている。
まだ今回の相場が始まってから6カ月しかたってない。
過去の大相場と比べれば、まだ始まったばかりといえる。
薄々は危険と感じつつも、この状況は直ぐには終わらないだろうといった
短期的には楽観的な考え方が相場を支配していたように思います。
そして、ある日、底が抜けたように下げ始め、
「もうダメだ。一旦は売ろう。」と
相場の空気が変化したようです。
ベテランさんは、1987年のブラックマンデーを思い出したかも知れませんね。
あの日、NYダウは1日で22.6%。日経平均は14.9%暴落しました。
当時、多くの個人投資家は、
翌日の朝刊で前日の終値をチェックしたものですが、
高校生だった私は、
全面ストップ安の株式欄を見て、
全くもって仰天したものです。
下げ相場では、ダラダラとしつこい売りに抑え込まれるような感じになるのですが、
上げ相場では、今回のようにパニック気味な下げが突然やってきます。
もう25年も昔のブラックマンデーの時でさえ、
機械的なプログラム売買が下げの増幅要因と言われましたが、
時代が進んだ今も、似たような話が出てきていますね。
けど、その本質は「まだはもうなり」です。
強気相場は悲観のなかで生まれ、
懐疑のなかで育ち、
楽観とともに成熟し、
陶酔のなかで消えて行く。
悲観の極みは最高の買い時であり、
楽観の極みは最高の売り時である。
~ジョン・テンプルトン卿~
(テンプルトン卿の流儀 パンローリング社より引用)
リアルタイムで経験すると、
こう言う言葉の意味がとても良く分かりますね。
この繰り返しですよ。
上達の近道は・・・。
「もうはまだなり」=懐疑のなかで育ち
「まだはもうなり」=楽観とともに成熟し陶酔のなかで消えて行く
です。
同じことを相場の天才が言葉を変えて教えてくれているだけなんですね。
えっ?
「であんたは、この相場格言通り、うまく売り抜けたのか?」
ですって??
まさか・・・
リーマンショックも、東日本大震災も、欧州通貨危機も
全部まともに喰らった私が、
今回だけは逃げられるはずがないでしょ。
いつものように、な~んにもせず、
騰げも下げも指をくわえて見ていただけです。
数年単位の企業成長に賭ける長期投資家にとって、
短・中期的な、特に需給要因による
相場変動はあまり関係ありません。
そういうのを気にしだしたら、
長期投資そのものが難しくなるんですね。
旧)エナフンさんの梨の木「なぜ勝ち目の薄い勝負に出るのか?」2010.10.5参照
http://enafun.blog21.fc2.com/blog-entry-646.html
相場に山あり谷ありは当たり前の事ですから、
そのあったり前を受け入れるだけなんです。
こんなこともあろうかと、
先月末に長期投資における基本的な投資スタンスを書いておいたわけ。
当ブログ記事「4月末運用状況」2013.5.1参照
http://ameblo.jp/okuyama-tukito/entry-11521676227.html
私はこの最後の文章に忠実に従っています。
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