企業の利益を分析する方法として、CVP分析というのがあります。
損益分岐点分析とも言いますね。
簿記2級でも出てくる基本的な分析手法なんですが、
ファンダメンタルズに基づく投資においては、
こういう基本をどれだけ忠実に実行できるかがとても重要です。
念の為、ここで簡単に説明しますと、
コストを変動費と固定費という二つの項目に分けて、
その2つを売上から引いたものを利益として、
例えば、売上が10億円増えたら、利益はどのくらい増えるのか?
といったことを分析する手法です。
変動費というのは、原材料や配送料など、販売数量と連動して必要となるコストの事で、
固定費というのは、人件費や賃貸料など、販売数量に関係なく必要となるコストの事です。
「今月は、あまり売上が増えなかったので、月給はいつもの半分!!」とか
「今月は、思ったほど売上が伸びなかったので、
今月だけ家賃半分にしてもらえませんか?」
等という訳に行きませんよね・・・。
売上が増えようが減ろうがどうしても必要となるコストが固定費という訳です。
で、この関係を下の図のようにして分析する手法なんですが、
これを見ても、なんのこっちゃチンプンカンプンな方は、
残念ながら、ファンダメンタルズに基づく長期投資に必要な知識が
少々不足していると思った方が良いでしょう。
少なくとも、上の図を見て、
「ああ、アレね・・・。」
くらいには分かっている前提で話を進めて行きます。
循環株というのは、
景気の変動に合わせて、販売数量が急激に伸びたり減ったりしているわけですね。
景気が良くなって数量が伸びると、急激に利益が増え、
反対に、景気が悪くなって販売数量が減り、
損益分岐点を割ると、急激に赤字が膨らんで行きます。
フラフラなんですね・・・。
仮に、固定費30億円、変動比率50%、売上100億円の会社があったとします。
売上100億円-固定費30億円-変動費50億円=利益20億円です。
景気が良くなって、この会社の売上が40%伸びたとしましょう。
利益はいくらになると思いますか?
(実際は景気が良くなると変動費率や固定費が大きくなって利益を圧迫することもある・・・。)
売上+40%、利益+100%みたいな決算書、見たことありますよね?
それに合わせて株価も2倍になったりするのです。
一方、逆に景気が悪化して、売上が30%ダウンするとどうなるでしょう?
利益は、20億円から5億円まで、一気に1/4まで落ち込みます。
株価もそれに合わせて、ものすごい勢いで下落します。
これが循環株とか景気敏感株とかと言われる株の宿命なんですね。
景気が良くなるとメチャメチャ騰がり、悪くなるとメチャメチャ下がる…。
短期トレーダーはどっちに転んでも
値動きが激しければ儲けのネタは転がってますので、
こういう株の方を好みますが、
長期投資家にはとてもやっかりな代物です。
このところ、世界の株価は少々荒れ模様ですね・・・。
それがリスク要因によるものであれば、リスクが去れば急反発もあるでしょう。
しかし、景気が悪くなっているとすれば、
10%や20%の調整では済まない・・・。
半値とかあるいはそれ以下というレベルまで動く可能性がある、
それが循環株なのだ・・・。
ということを理解しておく必要があるでしょう。
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