先日、営業レバレッジについて概念的な説明をしました。
これを読んだ読者から、「変動費や固定費はどこを調べれば求めることが出来るのか?」といったご質問をいただきました。
うーん…。これを説明しだすと一冊の本が書けそうです。
時間があれば、どこか別な銘柄で「こんな感じ」くらいの説明は出来るかもしれませんが、今日は時間がないので、大ざっぱに説明しますと、実際のところは正確には分かりません!!ビジネスモデルや過去の実績から、推測するしかないのです。
保有株について、推測して予想を立て、当たったり外れたりを繰り返しながら、だいたい、この会社はこういう傾向があるな…。というのをつかんでいけば良いでしょう。
この銘柄の場合は、電子にせよ、書籍にせよ、平たく言うと、ソフトを販売していますので、工場のようなものを持つ必要はありません。工場を持つ企業は、売上原価の中にも固定費が入ってきますから複雑になってきますが、そういうのが無いので、簡単といえば簡単です。私自身本を出版していますので、本屋と出版社との契約関係も容易に想像がつきます。本屋って売れたら売れた分だけ原価を支払う仕組みですから、原価≒変動費と想像できます。
後は販売管理費の中で変動費と固定費を想像で分けていくのですが、例えば、この銘柄の外注費についても、広告宣伝費や販売費の一部をヤフーと分け合っている旨、説明があります。ここも想像するしかないのですが、ヤフーと組んでいるわけですから、基本、検索連動型の広告宣伝費だと思われます。検索連動型の場合、最近は、かなり正確にデータ解析され、費用対効果も概ね予想できます。「がんばって1億広告宣伝費かけたけど反応は全然ダメだった…。」みたいなハズレは少ないのです。そういう意味で固定費と考えるよりは変動費的と考えた方が適切と私は考えました。これとは別に広告宣伝費も計上していますが、こっちはおそらく旧来型の広告宣伝費と思われますので、固定費と分類しました。
グーグルやヤフーからは、恐ろしいくらい、我々の行動が読み切られています。どういう順番でどういう検索をする人がどういう電子書籍をどのくらいの確率で購入するのか?くらいなら、かなりの精度で当てられるはずです。
会計的には間違いかもしれませんが、我々株式投資家が知りたいのは、本当の意味で、売上に連動する経費と、連動しない経費ですから、あくまで未来予想をするための分類と考えてください。
こういうのは業種ごとに何%くらいの基準があるとかないとかという簡単な方程式はありません。企業毎に個別でみていくしかないのです。例えば、外食でも原価を高くしてお得感で勝負するところもあれば、差別化しながら原価率を下げている企業もあるでしょう。
また、ソニーのような非常に多くの事業を動かしている企業になると、お手上げです。かなりの部分を空想でカバーするしかありません。
後は準固定費という概念があります。固定費には分類されますが、成長に応じて変動するような費用です。分かりやすい例でいうと、あなたがバス会社を経営しているとして、狙いが当たり、ガンガン成長しているとします。すると、バスを増やせば売り上げも増えるのですが、バスが満員になる前に、台数を増やしてしまうと経費倒れとなります。そのため、成長に応じて、バスの台数を増やすでしょう。
このようにバスは固定費に分類されますが、一定程度は売上にも連動します。直線的ではなく、階段状に売上と連動する経費のことを、準固定費と呼ぶことがあるのです。
小売業における店舗なんかも見方によっては準固定費です。以前はそれを前提に経費や利益を予想したものです…。
答えになっていませんが、全体像をつかんでいただければと幸いです。
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